
三好のPhD研究では、運動共感というコンセプトをベースに、モノの動きのデザインの新たな方法論を構築した。動きを伴う人工物のデザインを考える際、モータや機構を組み合わせた機械仕掛けのものを作ることで、それを元に動きの特性や機微を検討していくことができる。しかし、そうした機械構造にはそれ特有のリズムや癖のようなものがあり、動きの種類に関しても得意不得意がある。デザイナーが最初に比較的自由な動きのイメージを思い描いたとしても、プロトタイピングの過程で、機械構造で簡単に再現できそうなものに発想が支配されてしまうことがある。
本プロジェクトでは、動きのデザインを探索する新たなアプローチとして、人形劇師とのコラボレーションを実践した。ロンドンを拠点に活動する人形劇師レイチェルウォー氏の協力を得て実現した。