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2023.10.3

幕間を過ごすためのプロトタイプ

目を閉じたときに見える光や色の模様を描いた作品です。私たちの世界は光で溢れていて、それらは断り無しに私たちの目に飛び込んできます。そうした光から一旦逃れるため、まぶたを閉じると、自分にしか見えない景色を見つけました。その安心感は、まるで幕間に下ろされた深い色の幕のよう。その人にしか見ることのできない光景の存在に、尊さを感じました。

光をはかるためのプロトタイプ

太陽に手をかざすと、指の間から光があふれ出ることで、指の輪郭がぼやけて見えます。このように、光源に向かって何かの形を向けたときに、その形の輪郭がどれだけ消えてしまうかを測ることで、光源の照度を知ることができるのではないかと考えました。照度計のような抽象的な基準による光の測り方ではなく、自分の知覚を使った測り方です。自分にとって「心地のいい光」を見つけ、持ち帰られるようにするための物差しです。

どこかの自分と乗り合わせる手帳

この手帳では、行っては返す行列のように日付が並んでいます。 しばらく先の未来や、少し前の過去の日付が、ひとつのページに同居します。 過去と未来の自分との、偶然とも必然ともいえるつながりが生まれます。 

少し昔の自分を回想したり、少し先の未来の自分を想像したりする。 すると、時間を直線的に捉えていては見つけることのできなかった、 自分の人生の新たな物語に出会えるでしょう。

私の私の声を探すためのプロトタイプ

(本作品は、トークイベント時のみ実演されます。)

他者に聞こえる自分の声と、自分に聞こえる自分の声は、違って聞こえます。「自分の聞こえている自分の声」は、その人にしか聞こえず、他の人に聞くことができない。まるでアイデンティティの秘境がそこにあるようです。この作品は「自分に聞こえる自分の声」を、もしくはそれに近い声を、どうにか捕まえられないか試してみたものです。こめかみにマイクを当てたり、のどにマイクを当てたり… そうした録れた音が、「自分に聞こえる自分の声」とどう似ていてどう違うのかを記録しながら、探しました。